これからの学校教育に必要なこと
テストによる点数中心主義の教育は、戦後の一元的な価値観のもとで意味をもったものであるから反省されるべきです。まず産業界が動き、それに合わせて各企業が連動し、その中で社員が仕事をしています。現在の社会は価値が多様化しており、そこで競争させて勝たせ、幸福を掴ませようとするのは無意味です。そもそも価値の多様化した社会にあっては、目標が多元的にあるのだから一元的な競争は意味を持たないということです。
物質的豊かさを追い求め、ひたすら効率を追求し受動的に生きればよい時代は終わったということです。仕事でも趣味でも自分の好みで選べ、独自の人生を歩むことが、誰にでも保証されています。まさに現代日本の教育に求められているものは主体性となり、具えた人間がこれからの社会をリードしていくことになります。受験秀才のように受け身で生きた人間は、自分の人生を自分で切り開くことが苦手です。主体的な人間は、従来型の教育では育たないし、その能力は従来型のペーパーテストでは測ることが不可能です。従来型の受験秀才が能力を発揮するのは、正解のある問題を短時間に解く時です。これからは、答えのない問題が増えてくるから、受験秀才が活躍する場は少なくなり、従来型のペーパーテストの入試における比重は減るはずです。